女医を襲った
さかきばら
「東真一郎=酒鬼薔薇聖斗=少年A」
2005年1月1日、神戸児童連続殺傷事件の「少年A」こと東真一郎(22)が、ついに関東医療少年院を正式に退院した。
東真一郎の病気は完治したのか?
事件は2004年12月下旬に起こった。
東真一郎が、カウンセラーの精神科の女医を暴行しようとしたというのだ。
本来ならば仮退院は取り消しのはず。
だが、その事実は密かに闇に葬られ
東真一郎は社会に放たれた。
2004年12月24日、法務省は「少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)の保護観察が31日で終了し、年明けに完全に社会復帰する」との見通しを発表した。
はたして東真一郎の病気は完治したのだろうか。被害者のみならず、一般の関心がその点に向かうのは当然である。
しかし、法務省は、「少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)は被害者への贖罪の気持ちを持ち続けている。定職に就き、更生に向けた努力を重ね、精神的にも安定した生活を送っている」
と、そっけない説明を加えただけだ。
加害者の人権に配慮するあまり、少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)の具体的な居住地や仕事の内容、生活ぶりなどには一切触れていない。事件の被害者にも納得できる説明はなかった。
「昨年12月中旬頃、神戸の保護観察所で、法務省の方から最終報告という形で少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)の現状について一通りの説明を受けました」
と話すのは、
東真一郎にナイフで刺されて重傷を負った少女(当時9歳)の父親の堀川耕一郎さんである。
「少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)は精神的な面でも何ら問題がなく更生していると聞きました。ただし、法務省の人たちは絶対に具体的な話をしてくれないのです。我々が突っ込んだ質問をしても、それについてはお答えできませんと繰り返すばかりです」
堀川さんは半信半疑で聞くしかなかった。
「法務省の説明では、関東医療少年院からずっと少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)を担当している精神科のドクターが、定期的にカウンセリングを行ってきた。そのドクターが、今後、一切、薬物の投与も必要ない、少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)がそういった形で更生しているので、再犯の恐れはない、とお墨付きを与えたということでした。我々としては法務省の言うことですから、100%信用せざるをえない」
だが、それで被害者の不安が払拭されたわけではなく、不信感が残っただけだ。
「法務省の方とは、昨年8月にも一度お会いして話を聞きました。その8月時点と12月では、相も変わらず同じ話を繰り返しているだけなんです。少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)は更生しています、12月いっぱいで我々の手を離れます、と。こう言っては何ですが、
野放し状態になるわけですよ。ですから我々は、8月のときにも、可能であれば、年が明けてからも監視のようなものを幾分でも継続できないかとお願いしてみたのです。が、それに関しては一切できない、と。代わりにボランティアの人たちがどういう状況で生活しているのかということを定期的に我々の方に報告いただけるということでした。本当にお役人というか、そうしたことを淡々と言うものですから、決められたことは仕方がないんだな、と感じただけでした」
少年犯罪としては異例の7年余にわたる入院期間だった。少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)は、平成9年10月に東京都府中市にある関東医療少年院に収容された。平成13年11月から1年間、宮城県の東北少年院で職業訓練を受けた後、再び関東医療少年院に戻り、昨年3月にいよいよ社会復帰に向けて仮退院。法務省は、年明けの退院までの手続きを、滞りなく進めることだけに腐心していたかのような印象を受けるのだ。
事件はその最中に起こっていた。
東真一郎が心を開いた相手
仮退院中の少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)の居住地について、法務省は 「近畿地方以外」としか発表していないが、彼は、首都圏近郊で生活している。
法務省関係者はいう。
「少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)は、ひきこもりや不登校の子供たちを支援し、就労などの世話をする民間の団体の関係先にいます。その団体には協力企業が何社かある。その団体の自立支援プログラムに沿って、少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)はそのうちの1社で働いています」
少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)には、保護観察官が24時間体制で張り付いていた。また、関東医療少年院で担当だった精神科の女医のカウンセリングを、1週間に1度の割合で受けていた。退院に向けて、順調に回復しているように見えたのだろう。だが、それは少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)を更生させたいという当局の希望的観測に過ぎなかった。
昨年12月のことである。
「実は、東 真一郎が、カウンセリングの最中に
その女医を押し倒して暴行を働こうとしたのです」
と、先の法務省関係者は打ち明けるのだ。
「それで大騒ぎになり、東真一郎本人も精神的に非常に不安定になったので、急遽、精神病院に入院させた。
とてもじゃないが、社会復帰させられる状態ではなかった」
少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)は、居住地に比較的近い国立の精神病院にひとまず入院させられた。ところが、そこでまた問題が生じたという。
「少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)を入院させた直後にわかったのですが、昨年秋に、その
病院の井戸から猛毒のヒ素が検出されて問題になり、新聞沙汰になったことがあった。ヒ素の件でまたマスコミが取材に来たら、少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)が入院していることも漏れてしまうんじゃないか、という恐れがあり、法務省や警察庁の担当部局は転院先を探すので、一時、てんやわんやの騒ぎになった。結局、その病院は出て、別の病院に転院したのです」(同)
少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)は、どうしてその女医を襲ったのか。
「少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)は、その女医に心を開いており、医者と患者を超えた信頼関係があった」
と話すのは、関東医療少年院の関係者である。
「東真一郎の性的サディズムなどの異常な性格は、母親との関係が大きく影響していた。彼は母親を憎んでおり、心を閉ざした彼を治療するためには、職員が擬似家族的な関係を作ってカウンセリングに当たる必要があったのです。そのために彼女がスタッフとして加わった。
少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)の母親より3歳年下ですが、細身で髪の長い面長の女性で、年齢よりずっと若く見える。松本零士のマンガに出てくる女性のような美人です。彼女が親身になって接したおかげで、彼は心を開くようになった」
別の関係者もこう話す。
「少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)は最初は女医を母親のように思っていたが、やがて恋心に変わっていったようだ。院生の話によれば、その女医に『キスしてください』と頼んだことがあったし、院生の1人が東真一郎の前で女医の悪口を言ったら、東真一郎は本当に怒って、ボールペンでその院生を刺そうとしたこともあったのです」
少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)の性的関心が、残虐行為からようやく異性に向けられるようになった。彼にとっては、閉ざされた医療少年院の生活の中で、深い触れ合いを持った唯一の女性だったのである。
攻撃性に性衝動が結びついた
だが、そうした性衝動は、必ずしも少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)の病気が完治したことにはならない。
帝塚山学院大教授の小田晋教授は語る。
「カウンセリングの過程で、感情転移ということが起こる。精神分析的な療法をやる際に、心の絆を作るために母親のような愛憎を与えようとすると、相手は本当に好きになってしまうんですね。しかしその感情に母親役の女医は当然応えられなくなってしまう。少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)にしてみれば、裏切られたという気持ちになって、そうした行動に出たのだと思う。彼は、東北少年院で、他の院生から、からかわれて、自分の性器を切断しようとした一件があった。これは衝動性に、性的なことが絡んでいる傾向が切れていないということです。攻撃性に性衝動が結びついている。女医に手を掛けたということは、まだ
性と結びついた衝動性が治っていないということなのです」
精神科医の町澤静夫氏もいう。
「女医を襲ったという行為は、少年A(=酒鬼薔薇聖斗=東真一郎)が性的な感情のコントロールを十分にできていないととらえることができる。仮に性的サディズムが克服されていても、それでは、私たちは安心することはできない。また、性的サディズムがある一方で、普通の性愛もあるということは非常によくあるケース。現在の状態は、性的サディズムが心の奥に隠れて表に出なくなっただけということも十分ありえます」
専門家は、現状での退院に疑問を呈するのである。
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/autumn_snake_1995/56287289.html
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「虎を野に放つ」
という言葉があるが
それよりも恐ろしい