小沢一郎
底なしの金権腐敗
不正資金10億円
土地代めぐり複雑な資金移動
民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐり、政治団体間の不可解な資金移動や政治資金収支報告書の不記載の疑いが相次いで発覚している。告発されている平成16年の土地取引だけでなく、19年にも小沢氏本人に4億円を支出しながら収支報告書に記載していなかった疑惑も浮上。合わせて約10億円もの政治資金が不記載となっている可能性がある。東京地検特捜部は年明けに、会計事務担当だった民主党の石川知裕衆院議員(36)を政治資金規正法違反容疑で立件する方向で実態解明を進めている。
■特別な意図?
問題となっているのは、東京都世田谷区にある小沢氏の自宅から約700メートルの土地476平方メートル。現在は小沢氏の秘書寮が2棟建つ。陸山会は16年10月5日、都内の不動産会社と約3億4千万円で売買契約を締結。手付金1千万円を支払い、同月29日に残金を支払うことで合意した。
残金は29日に支払われたが、登記は石川氏の要望で年明けの1月7日に行われた。この支出を16年分の収支報告書に記載せず、17年分に記載したなどとして、石川氏らが政治資金規正法違反罪で告発された。
小沢氏は会見で「事務方の単純ミス。売買と登記の時間がずれることはある」と釈明したが、不動産関係者は「手続き上、所有権の移転登記が1日遅れることは多々ある。しかし数カ月も遅れることはまれだ。特別な意図があるとしか考えられない」といぶかしむ。
■説明はうそ
さらに不可解なのは、土地代金約3億4千万円の調達をめぐる複雑な資金の移動だ。小沢氏側は「4億円の定期預金を担保に銀行から小沢氏名義で借りた4億円を充てた」と説明しているが、取材で判明した取引実態からは、この説明はうそだった疑いが強い。
石川氏は土地代金について、特捜部の任意の事情聴取に「運転資金が足りなくなり、小沢氏の個人資金約4億円を充てた」と供述。実際、陸山会の口座には、29日の1、2日前に簿外で用意した小沢氏の個人資金とみられる約4億円が複数の関連政治団体を経由するなどして入金されていた。
29日午前、陸山会が土地代金を振り込んだ直後、陸山会の口座には、さらに複数の関連政治団体から計約1億8千万円が入金されていたとされ、銀行で4億円の定期預金を組み、これを担保に4億円の融資を受けたのは同日午後だった。
このため、小沢氏の個人資金が土地代金に充てられ、関連政治団体からの1億8千万円が定期預金の原資の一部になった可能性が高い。定期預金を担保にした借り入れは、簿外の小沢氏の個人資金を隠すためだった疑いがある。
これら、政治団体などからの入金はいずれも収支報告書に記載がなく、計約5億8千万円について、不記載の疑いが浮上している。
■簿外原資は?
こうした不可解な資金移動を実行していたのが石川氏だったという。石川氏とともに告発された当時の会計責任者で小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規被告(48)=規正法違反罪で公判中=は周囲に「土地は探したが、その後の契約手続きなどは石川氏がやった」と話しているという。
また、陸山会は19年、小沢氏本人に4億円を支出していた疑惑も発覚。小沢氏からの借入金の返済とみられるこの資金も、複数の関連政治団体から入金された計4億円が充てられていた可能性が高いという。
この4億円と16年の5億8千万円を合わせ、陸山会では約10億円が不記載となっている疑いがある。特捜部は、簿外資金の原資についても解明を進める。
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