【死人献金】民主内に広がる動揺
民主党の鳩山由紀夫代表による政治資金収支報告書の虚偽記載問題で、与党が2日、衆院政治倫理・公選法改正特別委員会で鳩山氏らの参考人招致を求めたことから、民主党内では困惑が増幅している。
鳩山氏は「説明責任は行った」としており、党幹部も幕引きに躍起だが、「党のイメージダウンにつながる」(中堅議員)との懸念がくすぶり続けている。思わぬ形でつまずいた「鳩山民主党」に事態打開の決め手は容易にみつからない。(斉藤太郎)
鳩山氏は2日、国会内で記者団に、「疑念にきちんと答えたつもりだ」と改めて強調した。自身が代表を務める党北海道第9区総支部に対する地方議員からの献金をめぐり、自民党側から「鳩山氏の資産を原資にした可能性がある」との指摘が出ていることに対しては、「地方議員も寄付をして9区の運営に当たっている」と否定した。
幹部も虚偽記載問題で党内に動揺が走ることに神経をとがらせている。麻生太郎首相が党役員人事を断念し、求心力の低下が一段と浮き彫りになる中、次期衆院選に向けて攻勢を強めれば政権交代の可能性が高まる-。虚偽記載問題の発覚で、こうしたシナリオが崩れることを懸念しているのは明らかだ。
実際、菅直人代表代行や山岡賢次国対委員長は「選挙に大きな影響を与えるとは思っていない」「個人の問題なので、党で扱うことではない。(所属議員は)しれっと対応してもらいたい」などと、虚偽記載問題と党の対応を切り離すべきだと発言している。
もっとも、党内では、鳩山氏と距離を置く議員を含め「代表辞任を求める動きは出てこない」(中堅)との空気が大勢だが、いらだちは日増しに募っている。
「あんなこと言わせたままにしていいのか」
民主党の安住淳国対委員長代理は2日、同党が欠席した倫選特で、自民党議員が一方的に虚偽記載問題を徹底攻撃している姿にたまりかね、民主党の篠原孝筆頭理事にこう電話でまくし立てた。安住氏には虚偽記載問題が足かせとなり、国会最終盤で与党に振り回されては、取り返しがつかない事態に陥るとの懸念がある。
ある若手は現在の党内事情をこう嘆く。
「首相に衆院解散を引き延ばされたら、与党に攻められ続ける。自民党の『麻生降ろし』を笑ってみていたのに、こっちで『鳩山降ろし』が起きたらたまらない」。
民主党にのしかかる虚偽記載問題がどう広がりをみせるのか。見極められないいらだちが、党の勢いに水をさしている。
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