宮崎県の東国原英夫知事(51)が23日、宮崎県庁で自民党の古賀誠選対委員長(68)と会談し、次期衆院選への出馬を要請された。
東国原氏は「次期総裁候補として衆院選を戦う」という爆弾的条件を突きつけ、結論は出なかった。麻生太郎首相(68)の支持率低下で衆院選での戦いに危機感を強め、東国原氏の人気にすがりたい自民党が、足元を見られた格好。
国政への意欲を持つ東国原氏には転身のチャンスといえるが、任期を残した中での「投げ出し」出馬には、県民の反発も予想される。
報道陣約100人が集まった宮崎県庁2階の講堂で、東国原知事が仰天要求の内容を明かした。古賀氏との会談は約20分。
「私が、次期総裁候補として、次の選挙を、自民党さんは、お戦いになる、お覚悟があるか、とおうかがいしました」。
大きな目を見開いて、はっきりと宣言した。
会見直後に生出演したフジテレビ「スーパーニュース」でも「自民党総裁候補として総選挙に出るのか?」との質問に、慎重に考えながら「私も無責任に話したわけではありませんから」とジョークではないことを強調した。
東国原氏の会見直前には古賀氏が「私の方からはね、ズバリ自民党からの出馬をご要請いたしました」と出馬要請だということを明言していた。
この日は沖縄県で戦没者追悼式が開催されていた。日本遺族会会長を務める古賀氏も招待されていたが、欠席してまで誠意を示した形だ。
会談は宮崎県議会が閉幕した午後3時すぎに急きょ設定された。
古賀氏は政権交代を目指す民主党に勝てる候補者として東国原氏に白羽の矢を立て、口説きに来た。
会見冒頭で「大きな荷物を背負ってきました。真剣です」と真剣さを強調したが、逆に仰天要求を突きつけられてしまった。
東国原知事は総裁就任以外にも、全国知事会で作成したマニフェストの採用を「一字一句もらさずに自民党の次期総選挙のパーティーマニフェストに盛り込んで、4年間で実現してほしい」と要求。
これをのめば出馬要請について「お考えします」と返事をしたと話した。
麻生首相の人気も上がらず、次期総選挙で目玉候補も目星がつかない中、追い上げる民主党の影におびえる自民党に言いたい放題の東国原氏だが、自民党総裁への意欲はどうやら本気のようだ。
県知事選の準備段階から「政治の世界に身を置くなら首相にならんと」と周囲にもらしていた。
昨年10月、宮崎1区の議席を持つ中山成彬衆院議員(66)が国交相を辞任し、後継に東国原氏を指名したときも、関係者に「(首相)官邸に連れて行こうか?」と真剣な表情で話したという。
当時は、県民からの予想以上の批判に思いとどまったが、国政への意欲はずっとくすぶり続けていた。
東国原氏は「県民のみなさまにはちゃんと説明する」と会見で話しており、冗談に聞こえる自民党総裁プランは、自民党が要求をのむという高いハードルをクリアすれば、現実になるかもしれない。
次期衆院選に出馬する場合、東京比例区との見方が有力。24日以降の公務は白紙という東国原知事。その動向から目が離せない。
[2009年6月24日9時16分 紙面から]